隆也がそう声を掛けると、元希はベッドにごろんと根っ転がったまま、おおと聞いているのか聞いているのか解らないような返事をした。 ゴミくらいきちんと捨てて下さいよと何度も怒るのだが、おーとさっきのよな生返事で終わるものだから、元希が入り浸るようになってすでに3ヶ月以上立つ今は…もう諦めた。 冷蔵庫を開けて、あるものを確認する。 球場から直帰したようだから、何も食べてはいないだろう。 チャーハンが一番早いか。たまねぎとハム刻んで。卵、もあるし。チャーハンの素もあるけれど、めんどくさい時の自分用に使うのは兎も角。合成調味料を元希の食べるものに使うのも良くないかと、醤油のみのあっさりに仕上げる事に決めた。スープはないから、昨日つくった味噌汁でも暖め直せばいいだろう。 ひょいひょいと材料を取り出して、シンクの中に放り入れる。 この一年で随分と料理にも慣れた。 ひとのベッドを占領してだらだらしている男の所為でもあるけれど、やはり自炊が一番金が掛らない為だ。仕送りを当てにし過ぎるのは隆也の主義に反する。 ざっと、材料を手際良く刻んでいく。量が多めとはいえ、二人分であればそれほどに時間は掛らない。先に卵と御飯を合わせ、馴染ませる。 フライパンを熱し、油を垂らす。たまねぎと、ハムを入れざっと炒め、卵と合わせておいた御飯を入れた。 こういうとき中華鍋があればなあと思う。が、一人暮らし部屋用の小さなクッキングヒータではその力は発揮出来ないかもしれない。 フライパンを返していれば、寝転んでいる榛名が呼んでくる。 「タカヤ、ちょっとこっち、こい」 「…チャーハンもうすぐで出来ますけど」 「え、マジ?…だったらそれ出来てからでいいや、通りでなんかイイ匂いがすると…おまえ良く俺が飯喰ってないって解ったな」 「そりゃ、それ位わかりますよ、そもそも俺も飯まだなんすよ」 腹はなってねえと思うんだけどな。そうぼそぼそと呟きながら元希は漸くベットから身を起こし、チャンネルを取りテレビの電源を入れた。ついた時に映ったのはスポーツニュースのチャンネルだった。 しっかりと今日の試合の結果を伝えている。 「…まーた、田島にやられちまった、ちくしょー」 すっかり背も伸びた田島は今はホームランも打てるスーパーバッターになっている。そう、元希と同じくプロになったのだ。 今日も、綺麗に打ち取られてしまったと、くやしそうだ。 続… |
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